プログラミング教育に関する有識者会議の委員も務める利根川さんが団体を務める「みんなのコード」という特定非営利活動法人があります。この「みんなのコード」では自律的にプログラミング教育を広める活動をする先生を全国で2000人養成することを目標にしており、2018年現在は約500人の養成を達成しています。
実際の活動は教員にプログラミングに関して興味を持ってもらい、学習してもらい、実際に授業に取り入れてもらう。最終的には周りの教員に広めてもらうことを目標にし、より多くの教員にスキルやノウハウ取得をしてもらおうという取り組みを行なっています。
このような取り組みは米国でも「Code.org」という取り組みで行われており児童や生徒向けに楽しくプログラミングを学んでもらうことを目標に様々なサポートを提供しています。
その中の「Hour of Code」というページは世界45ヶ国語で提プログラミングを楽しめる教材を提供しています。もちろん日本語でも提供されているのでこれからプログラミングを始める生徒や教員の方は試しに使ってみるとイメージを掴みやすいかもしれません。
ただやはりこのような取り組みは自発的に参加をしないと得られない情報ですので、教員のノウハウのばらつきは多少日本でも出てきてしまうことは想定できますね。
既存の授業でコンピューターを取り入れていくメリットは数多くあります。
現段階ではICTに関する知識がない教員でも、担当している授業に関してはスペシャリストです。ここにプログラミング教育が導入させることによって教員の知識が何百倍にもなって既存の授業に生かすことができるようになるのです。今までは教科書や黒板に書かれている情報が授業の全てですが、コンピューター等の利活用により世界中で取り組まれている事例や研究結果、様々な場所で撮られた写真や国や自治体が出しているオープンデータ等、わざわざ教科書にまとめなくても授業に関連する情報を無限と紹介できるようになります。
この情報が本物なのか否か。見極めることはその授業のスペシャリストである教員の目で見極め解説していくことで今まで受けることが難しかった視点での授業を取り組むことができるのです。
プログラミングはそれらの知識を生徒たちがインプットするのにとても良いツールとなり、またプログラミング的思考を身に付けることができ授業にとても良い循環を生みます。
コンピューターのことはよく分からないから。そんなものを導入しなくても今まで通りで良い。そのような考えを一旦捨てて、2020年から少しずつでも取り入れていける教員を増やしていけるかが重要になってくるのではないかと思います。
2020年のプログラミング教育導入に向けて、教員の取り巻く環境の整備はとても重要です。親御さんたちが直接介入しにくいところではありますが、せっかく国を主体として始める第一歩ですので熱意のある教員の皆さんの活動を後押しできるような環境が整い、良い環境で生徒たちがプログラミングを学ぶことができるようにしてもらいたいですね。